12月3日 土曜日
2048日目~2050日目 Brazil Río de Janeiro to on the bus
リオに来て1週間かー。
特別何もしてないけど時間が経つのは早い。

観光らしいことしたのはあの残念なキリスト像くらいかな。

心無しかキリストの表情も暗い…
まぁその分当てもなくいっぱい街歩き回ったりしてリオの雰囲気を充分感じれたし、結局そうゆうのが1番楽しかったりする。
海外を長期旅してる人が毎日有名な場所を観光したり、毎日最高だぜ!毎日超充実してます!!yeah!だなんてことは、ない。
そうゆう感じでSNSに載せてる人たちを見て海外に憧れる気持ちも分かるけど、彼らを信じちゃいけない。
彼らも普段は地味ーな生活送ってます。
間違ってたらすみません。
勿論色んなところへ行けて楽しいし刺激的だし色んな人と出会えたり学ぶことも沢山あって旅は最高なんだけど、案外普通です。
別に海外に居てもYouTube見ながらゴロゴロしてたらいつの間にか1日終わったりします。
でもやっぱり旅は楽しい。
通りがかったBARでは日本対スペインの試合が放送されていて、「おっ!今日日本戦だったのか!しかも日本勝ってる!」立ち止まって観てたら無事日本勝利で試合終了。
おめでとう!
やっぱり日本が勝つと嬉しい!
そんな俺の服装はブラジル代表。
皆んなやっぱり昼間は暑いから夜になってから活発に動き出すんだろうな。
昼間より夜の方が賑わっている。


昨日のコパカバーナのbeachではフェスやってた。行く街、行く街でいつもフェスやってるな。俺がツイているだけか、もしくはブラジルではこれが日常なのかもしれない。



凄い人!凄い盛り上がり!
女の子も男の人もケツの振り方がエグい。
ぶりん!ぶりん!からのぷるぷるぷるぷる。
1分間に2万回くらいお尻ブルブルさせてる。
僅か50センチ前ではゲイのカップルが濃厚なキスを初めて、おっぱじまる5秒前。
画面に映る有名DJが彼らのキスシーンで隠れてしまい、そっと3歩右にずれる。
やはりブラジル、特にこのリオデジャネイロは今世界で最も熱い場所だろうな。
だが、終盤になるにつれ人が少なくなっていくと相変わらずゴミだらけになる会場。
相変わらずゴミはそこら辺に捨てちゃう。
そして今日はサンパウロへ移動するつもり。サンパウロ行きの夜行バスのチケットは既にもう買ってある。

昼間は宿で色々ネットしたりしてて、疲れたから散歩にでも行くかーと街を歩いてたらセントロの宿で会った日本人の方とばったり会って、一杯飲もうかーてなってbeach沿いのお洒落なテラスでお話ししてた。
しばらくして、「じゃあ気をつけてー」
と別れて荷物を取りに行き、宿の近くからバスに乗りバスターミナルに向かう。
夜19時頃だっただろうか。
コパカバーナからバスターミナルまでは結構距離があり、1時間弱かかってようやくターミナル近くまで来て、人をかき分けながら降り口まで行き待機していた。
大きなバックを持ってる俺に、
「良い旅を!」とでも言わんばかりにウインクしてくれる人もいる。
だが、ターミナルに着いてバスを降りようとした時いきなり被っていた帽子を盗られた。
いや、盗られたのか?!
人混みにぶつかって落ちただけかも知れない。だが下を探しても落ちていない。
周りの人に、俺の帽子知らないか?
と聞くが、さっきまでウインクしてくれた兄さんも、優しく微笑みかけてくれたおばちゃんも、目を背ける。
皆んな面倒ごとには巻き込まれたくない、といった感じだった。
もうその感じで十分伝わったよ。
こいつらが盗ったんだろ?
俺のすぐ後ろにはガラの悪い黒人系ブラジル人3人組みが居た。
だが仲間と連携して上手く隠してるのか、実際帽子も持っていないし証拠もない。
「俺の帽子知らないか?」
「あー?そんなの知らねーな!アーユージャポネス?!ここはブラジルなんだ!!ポルトガル語喋れよ!!スピークポルトギース!!スピークポルトギース!!!」
以前の俺ならカッとなって、ふざけんな!!とつっかかっていたかも知れない。
だが意外と冷静だった。
やはり運転手も関わりたくないんだろう。
後ろの方で騒ぎが起きているにも関わらず、バスはターミナルで降りれなかった俺に構いもせず走り出す。
次第に口調を荒げる3人組み、
「おいジャポネス!!金持ってんだろ?金出せよ!!マネー!!マネー!!マネー!!」
カバンにまで手を伸ばしてくる。
周りを見るが誰も助けてなんてくれない。
手でなんとかガードしつつ、次の停留所に停まった隙に急いでバスを降りる。奴らも深追いはして来なかったが、俺がバスを降りたと同時にどこかに隠してた俺の帽子を見せつけてきて、嘲笑うかの様に、
「アイムフロムブラジル!!ディスイズブラジル!!ディスイズリオデジャネイロ!!」
帽子だけで済んだと思えばラッキーだったかも知れない。
まず、手を出されなくて良かった。
きっとあそこでカッとなって、ふざけんな!
って俺が突っかかっていったら奴らは手を出してきただろう。
停留所で一緒に降りてきてリンチされた挙句に身ぐるみ剥がされてたかもしれない。
肌でそんな【ヤバさ】みたいなのを感じた。
こいつら平気でそこまでする奴らだって。
手際の良さといい、そっからの立ち振る舞いといい、プロのそれだった。こんなことは毎日のようにやっている、これがブラジルだ。とでも言われたような感じだった。
慢心もあった。
ブラジルに来てから特別治安の悪さも感じてなかったし、まだ人も多い時間帯だったし。
今までの肌感覚から、夜中に1人で歩いたりしない限り割と安全だと思っていた。
でも話しには聞いたりしていた。
夜飲んだ帰りに宿までの僅か100メートル程の距離で強盗にあい、リンチされてお金取られたとかそうゆう話し。
もっと早い時間に来るべきだったか。
いや、そもそも夜行バスとかじゃなくて昼間のバスにするべきだったかも知れない。
不思議と大した怒りも湧いてこなかった。
悔しさは多少あったが、それよりも、俺の中に出てきた感情は彼らへの憐みだった。
彼らも苦しんでるんだな。分かるよ。
俺もずっとずっと苦しかったから。でもそんなこと続けてたらどんどん深い苦しみの闇に堕ちていくだけなんだよ。彼らもいつか気づくことが出来るんだろうか。どうか彼らがこれからの人生で少しでも人生の本質に気づき、良い方向に向かえる様にと祈った。
やがて時間になりバスに乗り込む。
俺の席にはブラジル人の若者が座ってて、
「そこ俺の席だよ」
「ここは俺の席だ!3が窓際だ!!」
どう考えても俺のチケットが窓際なのに、どうしても窓際から動きたくないらしい。
だけど明らかに可笑しなことを言ってるって自分でも分かってるからか、何だか自信なさげに笑っちゃってるし。
もう笑えてくる。
別に席なんて何処でもいい。
だがその態度から心の卑しさが見えてくる。
ただそれが残念なんだ。
「アーユーハッピー?君がハッピーならそのままで良いよ」
頭の中で、さっきの奴の
「This is Brazil !!」
が何度も響き渡っていた。

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