呪われた男たち、夜の街に消える

5月19日 金曜日

2217日目 Cuba Havana

それにしてもこのキューバ、久しぶりに圧倒的な異国感がある。

イケてるクラシックカーが街中に溢れ、南国っぽい肌の黒い黒人系から白人、ミックスと、人種も様々で、築何年だろうってゆう古い街並みが雰囲気を醸し出している。

更にネットもまともに使えない、ちょっと買い物するのも一苦労、常に良い人と悪い人をちゃんと判断しなければいけない。

旅って本来こんな感じだったよな。

南米がいかにぬるかったか思い知らされ、旅も長くなり、変に旅に慣れたというか、最近別にこんな苦労してなかった。

アヤワスカを経験し、人生の意味や産まれてきた目的、自分が旅の中でずっと探していたものが見つかり、自分の中で旅に出た理由と、1番大きな目的を達成したことで、“もう旅を続ける理由”なんてないんじゃないかと、頭の片隅にあったのも事実。

最近の自分の旅が、まだ旅を辞めたくなくてただ堕落で続けている、“目的の無いただの現実逃避”になってしまっていた気がした。

このタイミングでスリにあったのも何か意味があるような気がした。

一旦日本に帰って考えるタイミングなのかなと思い、そこからの決断は早かった。

とは言えやっぱり俺は旅が好きだ。

まだまだ行ってないところも沢山あるし、行きたいところも沢山ある。体力のある今のうちにしか行けないところも沢山あるだろう。

アフリカとか中東とか、歳とってからじゃもう行けないかもしれない。

だから一旦帰って少し準備を整えたらまたすぐ何処かへ行くかもしれないし、それはまだ分からない。

大好きな東南アジアで思いっきり遊びまくるってのもアリだな。

でもまた旅に出たとしてももうこれまでのような貧乏バックパッカースタイルではないかもしれない。

いつも色んな国に行っても節約の為に色々我慢してきたし、ずーっと安宿や野宿を繰り返しながら凌いできた。

でもやっぱりその土地の名産品とかちゃんとしたコックさんに作ってもらって食べたりもしたいし、ビールも美味しいご飯もやりたいことも我慢したくない。

たまには良いホテルにも泊まりたいし、何にも我慢せずに好きなだけ飲んで好きなだけ美味しいもの食べたり、友達と思いっきり遊んだりしたい。

その為にはお金も稼がないといけないし、働きながら旅をする、ノマドのような生き方も良いかも知れない。

そろそろ次のステージと言うか、旅のスタイルも変えなくちゃいけない時なのかもな。

とにかく1回日本で美味いものいっぱい食べよう。皆んなにも会いたいし。

もう日本が自分の国ってゆう感覚もあまりなくて、日本って言うユニークな国が東の果てにはあって、そこに旅しに行く、みたいな不思議な感覚。

噂の日本とはどんな国なんだろう。

朝起きてコーヒー飲みながらゆっくりしてるとアントニオも起きてきて、2人でニューハバナの方に出かけた。

全くもって何がニューなのか分からない古い街並みを歩いていくと、いつも道端で色んな人と絡んでるアントニオはすでにこのニューハバナにも友達が居て、道端で会ったアントニオの友達も合流し3人でプラプラ歩く。

とにかくお金が必要らしいアントニオたちと銀行に来ると凄い長蛇の列。

中々進まない列に嫌気が差し、俺は1人で辺りをプラプラし、お腹が空いたので近くのバーガースタンドで小さなハンバーガーを食べた。

うん、パっサパサだ。

やっと用事が終わったアントニオとそれからもしばらくプラプラ歩いていたが、暑すぎてフラフラしてきてビールを飲んで宿に帰った。

てかハバナってbeachないんかい。

30分くらい行けば一応あるらしいけど、もうちょっと行ったVaraderoってところがリゾートで有名らしい。

せっかくだからカリブ海のbeachでゆっくりしたいよなぁ。

しばらくクーラーの効いた部屋で涼み、それから1人で出かける。

まだキューバにもう少し居ることが決まったので、もう少し換金しないとお金がもうあまりない。

昨日、街をプラプラしてると声かけてきた兄ちゃんが180ペソで両替えしてくれるって言ってたから探すけど見つけられなかった。

この前のオッちゃんは何処だったか覚えてないしなぁ。。

他の人にも尋ねるが、レートが下がる。

これはレート良い人見つけた時にある程度必要な分両替えしとかないと結構面倒くさいな。。

中々レートの良い人を見つけられずどうしようかと歩いていると、キューバのお土産とかが売っているメルカドに出た。

そしてそこに居たカンビオマンが180ペソで両替えしてくれると。

やっと見つけた!

とりあえずこれで大丈夫だな。

そのまま海沿いを散歩しながらWi-Fiの使える公園へと向かう。

銀行を確認するとまだ大丈夫だ。

これカード止めなくて大丈夫かな?

カード止めてしまうともう残りの現金で凌ぐしかなくなるし、カード番号は控えてあるからネットの支払いが必要な時など、とりあえずこれで支払いが出来る。

ちょっと心配ではあるがもう少し様子みようかな。

しかし暑い。。

もう汗が吹き出して暑さで頭もぼーっとする。

アントニオにもお土産にビールを買って帰り、一気に流し込むと生き返った。

この家には俺たちの他にキューバ人のおじさんも1人ステイしている。

アントニオとおじさんがずっと話していて、後から何の話ししていたのかアントニオが教えてくれたところによると、彼の給料は月に20ドルくらいしかないらしい。

それは彼に限った話じゃなく、多くのキューバ人がそんな感じみたい。

じゃあどうやって生活してるの?ここの滞在費はどうしてるの?

色んな疑問が湧いてくるが、それは俺たちみたいなツーリストや、働いている工場とかからお金や物を盗んで生活してるらしい。

まさか俺のお金盗ったのこのおじさんじゃないよな…?

でもキューバでは“盗み”が当たり前に彼らの意識にあり、そうしないととても生活出来る状況じゃないみたいだ。

社会主義国ということは国が国民の仕事や給料を管理して、毎月幾らの給料、毎月これだけの食べもの、など支給はあるみたいだけど、それだけじゃとても生活なんて成り立たずに、やっぱり盗みを働くしかないと。

俺の金やカードを盗んだ奴はやっぱりムカつくけど、彼らにとったらそんなギリギリの生活の中で、やむなくって感じだろう。

だが一気に年収にも匹敵する額を手に入れたわけだ。どんな気持ちなんだろう?罪悪感は少しでもあるのかな?それとも大金だぜ!!よっしゃあ!!!ってな感じなのか。

因みにここの滞在費は、以前知り合ったスイス人の女性が振り込んでくれるらしい。

なんだそれ。

そんな彼は今日56歳のバースデイ。

彼は乾パンに牡蠣の缶詰め?みたいなものをチョロっと乗せてバリバリと食べていて、缶詰めの油まで残すことなくパンにつけて、美味しそうに食べていた。

俺たちにも食べろ!ってわけてくれたけど、古くなったバリバリのパンに、缶詰めの酸化したよくない油の味がして、とても美味しいと思えるものではなかった。

彼にとってはこれが誕生日の贅沢なのか、なんかちょっと切なくなる光景だった。

夜になり、俺たちは今日スペインから到着すると言うアントニオの友達を待っていた。

スペインに住んではいるけどキューバ人らしく、帰郷って感じなのかな。

この辺りにも詳しい彼の到着を待ち、一緒に金曜日の夜の街に繰り出すつもりでいた俺たちだったが、キューバに到着したアントニオの友達と街で合流しようと、準備して2人で家を出た矢先、

「マイフォンイズブロッケン!!」

アントニオのスマホはこのタイミングでただ発光してるだけで何も映さないただのゴミに変わってしまった。

それからも電源を切ったり色々試行錯誤していたが、もうそれからスマホは直ることはなくずっと壊れたままで、友達と連絡取る手段もなくしてしまいもう待ち合わせすることも出来なくなった。

キューバでずっとその友達を待っていて、ようやく後30分もすれば会えるって時に連絡する手段をなくしたアントニオ。

そしてキューバに着いて速攻でスリにあって日本帰国を余儀なくされた俺。

俺たち呪われてんのか…?

仕方なく2人でオールドハバナの方に行き、とりあえずレストランで乾杯。

モヒートを飲み、パエリアを注文する。

やがてやって来たパエリアがこれ。

パエリアってこんな感じだったか…?

スペイン人の料理人であるアントニオは、これはパエリアじゃないよ、と言ってた。

食事も終わり、ビールを買って飲みながら盛り上がってきた夜の街を歩く。

いつの間にか仲間に加わったキューバ人たちとしばらくストリートで飲んでいて、それからクラブへと移動する。

クラブの前には娼婦たちと思われる女の子が沢山たむろしていて、その中の1人の子がやたらとアピールしてくる。

結構可愛い。

流れで中に一緒に入ることになり、一杯奢ってあげて一緒に踊ったりして楽しかったな。

ダンスがエロすぎる。

めっちゃ腰振りながら当ててくる、ラテンスタイル。

しばらくして大分酔っ払い、宿に帰ると、無意識にその子も連れて帰ってきていた。

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